あいつはやる気がないからダメ~は解決につながらない。読本メモ「行動分析学マネジメント」
■行動分析学では、行動の原因を見つける。
部下が期待通りの仕事をしないとき、その原因はどこにあると考えるだろうか?
やる気がない、能力が低い、意識が低い、、、どれもよく聞く説明だ。
行動上の問題をこのように、心の中に原因があると考えることは、「医学モデル」と呼ばれている。
医学モデルを使うことには弊害がある。
それは、行動を心や性格で説明しようとすると、結局最後は個人攻撃になって、肝心の問題が解決しないことだ。
「あいつはやる気がない」「私は意思が弱い」というのは、単なる批判や自己弁護であって、問題解決にはつながらない。
では行動の原因はどのように考えればよいか。
スキナーは、その行動をした直後に何が起こるかで決まる と結論づけた。
たとえば、誰かが会議中に前向きな発言をしたとする、そうしたらすぐに笑顔で、それを賞賛する。
それだけで、その行動が強化される。
逆に誰かが会議中に非生産的な発言をしたとする、そうしたらその発言をスルーする。
そうすると、その行動が弱化される。(途中でバーストという現象も起こりうるが)
行動の直後は、まさに”直”後であるほど効果的で、60秒ルールと呼ばれ、行動をしてから60秒以内に起こらない結果は、ほとんど意味がない。
行動を分析するには、
1、行動は「強化」されているのか、「弱化」されているのかを判断する
2、直前から直後の変化は原因の「出現」か、「消失」か判断する
3、出現もしくは消失したものが、「好子」か「嫌子」か判断する。
●その人が普通にできるぎりぎりの線を上回ったら、褒める
●一連の行動を細かくステップに分けて、そのどの行動までできているのか、
どの行動からできていないのかを確認する
●行動のフィードバックは行動の直後に、1日に何回もやる必要がある。
4半期に1回では効果がない。
ということで、今回のKeytakeaway
心や性格じゃなくて、行動に着目すること。
行動の直後(60秒以内)の対応によって、行動を強めたり弱めたりできる。